松葉ガニは脱皮するの?気になるカニの生態をプロが解説!

松葉ガニは脱皮するの?気になるカニの生態をプロが解説!

2024.1.14 コラム
松葉ガニ

 

実は、松葉ガニは脱皮をして成長する生き物です。カニを食べることはあっても生態については知らない人がほとんどではないでしょうか。


特に、カニの脱皮は美味しさにも大きく影響するので、カニの生態を知ることで美味しいカニを見極めることも可能です。


今回は、カニ専門店マルツがカニの生態について解説します。ご家族やご友人とカニを食べる際の話題としてもご活用頂けますと幸いです!

 

松葉ガニの生態

まずは、松葉ガニの基本的な生態について紹介します。松葉ガニはブランド名であって、生物名はズワイガニです。他のカニも似た生態を持っているので参考にしてください。

生息地

松葉ガニの生息地は、山陰地方(鳥取県、島根県、兵庫県、京都府)です。松葉ガニ以外のズワイガニも、島根県~北海道までの日本海全域に生息しています。


ズワイガニが、日本海を好む理由は、エサ場が多いことや水温が適していることなどが挙げられます。1〜4℃程度の水温を好み、水深300~500mの比較的浅い海域に生息しています。


松葉ガニは底びき網漁法によって水揚げされています。カニ漁について詳しく知りたい方はこちらの記事がおすすめです。

 

松葉ガニの漁法は?漁法の種類や松葉ガニ漁の規制について解説!

 

松葉ガニのエサは?

松葉ガニは雑食の生物です。海底に落ちてきた魚類や甲殻類、自分の脱皮した殻を食べたりもします。


特に、鳥取県の沖合は暖流と寒流が交わり、プランクトンをはじめとした生物が多く生息しているので、松葉ガニのエサも豊富でしっかり身が詰まったカニが水揚げされます。


松葉ガニの脱皮の仕組み

松葉ガニの脱皮は成長するうえで欠かせないものです。また、脱皮には脚や甲羅の修復能力もあります。カニは敵から逃げる際に、自分の脚を切り離して逃げることがありますが、脚の再生も可能です。


脱皮は幼少期には数ヶ月単位、大人になると年に1回のペースで行われます。時期は毎年9月~10月頃で合計14~16回脱皮をしてやっと食べられるサイズのカニに成長します。


脱皮はカニの中でも命をかけた一大イベントです。脱皮中は約1時間敵から身を守れない状態が続くので、脱皮中に食べられたり、力尽きて死んでしまうカニもいます。


個体にもよりますが、14~16回目の最後の脱皮を迎えるとそれ以上は、脱皮しません。また、脱皮直後は脱皮で力を使い果たして旨味成分が抜けているので美味しくありません。


脱皮直後のカニは殻が柔らかいのですぐにわかります。最終脱皮後から時間が経つほど、身入りがよくて美味しいカニに育ちます。

若松葉ガニとは

若松葉ガニは、最終脱皮から1年未満に水揚げされるカニのことです。主に、1〜3月に水揚げされ、ほとんどが地元で消費されるため流通量はあまり多くありません。


身入りもサイズも松葉ガニと比べると見劣りしますが、安価で手に入るため、地元では愛されています。水気が多いので、水ガニとも呼ばれます。


松葉ガニの一生

松葉ガニの一生は10~15年です。どのような一生を送っているのかについて詳しく解説します。

産卵期

松葉ガニの産卵期は、毎年2〜3月です。メスのカニにとって最初の産卵のみ、6〜7月に行われます。約1年かけて孵化するので、メスのカニはほとんど一年中卵を抱えて生活していることになります。


鳥取県では、ズワイガニのメスを「セコガニ」や「親ガニ」と呼んでおり、松葉ガニとは区別しています。メスは成熟しても7~8cm程度までの大きさにしか成長しません。

成長期(前期)

孵化した卵はその後、海中を浮遊しながら脱皮を繰り返し、体を大きく成長させていきます。この時期の松葉ガニはカニの姿ではなく、微生物のような姿です。


約3か月経つとカニの姿になっていき、「稚ガニ」と呼ばれます。稚ガニになると、海底で生活できるようになり、底生生活に移行します。


その後も約10年間は年に1回の脱皮をしながら、少しずつ体を成長させていきます。

成長期(後期)

生まれてから10年を迎える頃に最終脱皮が行われます。最終脱皮を迎えるとハサミの大きさが一気に大きくなるので、簡単に見分けられます。


最終脱皮から最大5年間生きられますが、寿命の前にほとんどが漁獲されてしまいます。


また、鳥取県では成長しきっていない松葉ガニを漁獲しないための網の工夫や、産卵に適した海域の整備など資源保護に取り組んでいます。

 

よくある質問

松葉ガニの寿命は?

松葉ガニの寿命は約15年です。孵化して10年目くらいに最終脱皮を迎えて、食べられるサイズになります。そのため市場で売られている松葉ガニは、大体10年~15年生きたものになります。

脱皮したカニは美味しいの?

脱皮直後のカニは美味しいとは言えません。脱皮時には、カニがすべての力を使い果たしてしまい、旨味成分が抜けた状態です。


一方で、脱皮してから時間が経ったカニは身が詰まっていて美味しいです。甲羅に傷やカニピル(黒い粒)が付いていると脱皮から時間が経っている証拠なので、美味しいカニを見極められます。

松葉ガニは縁起が良いってホント?

松葉ガニは縁起が良いと言われています。その理由は、1年中卵を抱えて生活しているメスガニが子宝を連想させたり、脱皮して成長する姿が生まれ変わりを連想させたりなどと言われています。


松葉ガニ通販は専門店のマルツ

カニ専門店マルツ店舗

 

今回は、松葉ガニの生態についてご紹介しました。松葉ガニは10年以上かけて、食べられるサイズまで成長する生き物です。それまでに外敵に食べられてしまうリスクもあるため、貴重な食材となっています。


時間をかけて育った分、その味わいは絶品で、ふっくらした身と上品な甘さが楽しめます。他のカニでは味わえない魅力が松葉ガニにはあるので、食べたことのない方はぜひお試しください。


松葉ガニのお取り寄せはカニ専門店のマルツがおすすめです。マルツは鳥取県境港に実店舗を持つカニ専門店で50年以上の歴史があります。仕入れから加工、販売まで自社一貫で、プロの目利きによって厳選されたカニを販売しています。


オンラインショップでは、「活」「ボイル」など様々な松葉ガニを販売しており、お得に購入できる訳あり商品も扱っています。気になる方はぜひオンラインショップを覗いてみてください。


マルツの松葉ガニはこちら

 

同カテゴリ内の記事

その他の記事